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by konlon

マンガトラウマ?

 高田明典氏著の『アニメの醒めない魔法』では、心理学と構造主義の方法論で幼・少年向けTV番組作品に込められた暗喩とそれが視聴者に及ぼす影響を指摘し、アニメ・特撮作品の存在意味を考えさせてくれる。また、表紙カバーは「ドラえもん」の顔アップを思わせるデザインの上に縦書きのタイトルが、ドラえもんの目へと向かって、左端から右斜め下へと順に文字を小さく表示し、副題を目の内側に配置して、アニメ作品のもつ"魔法"が人々の深層意識下にもぐりこんでいくかのような印象を与え、心理学を駆使した本書のイメージ強調されている。(カバー下の表紙は、ピンク地に美少女戦士キャラクター風の目が描かれている。)本書の主題を心理学的に補強主張するかのような表紙であり、書籍全体をもって一つの"著作物"であることを感じさせる。
 さて、『アニメの醒めない魔法』で主張される、TV番組の暗喩は番組だけでなくマンガ作品にも当てはまる所があるように思われる。アニメや特撮作品が人気マンガを原作にしているものが多く、『ドラえもん』のようにマンガの内容がそのままアニメ番組で再現される場合もあれば、『巨人の星』にみられる様に、キャラクターの心理描写が動画の映像表現によってマンガ作品よりも過剰に強調され、マンガ以上に受け手の深層心理に強烈に働きかけることもあるが、両者の関係は親戚のような関係となっている。「アニメ」の醒めない魔法は「マンガ」の醒めない魔法でもあるといえる。『アニメの醒めない魔法』で紹介された心理学/構造主義による作品の分析方法は、マンガ作品でも応用が可能になるだろう。本書はマンガ作品研究やマンガ作品の読者に与える影響を考察するための方法論に一つの指針となるであろう。
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by konlon | 2005-10-02 22:09 | マンガ